さくら整形外科・内科・
リハビリテーション科医院

体成分分析

関節リウマチ
院長は日本リウマチ学会専門医です。
日本リウマチ学会専門医2名が診療します。

(診察日参照下さい)
◎「関節リウマチの治療戦略は大きく変わりました」
 関節リウマチの治療はこの10数年間で大きく進歩し治療方針の明確化がはかられてきました。
さらに、適切な時期に治療を行うことで「薬剤なしで治癒に近い寛解状態になるという確率が高い」という考え方も浸透してきました。
機能障害が生じる前に治療ができるよう早期の治療介入としっかりした病勢コントロールが重要視されるわけですから、初期対応でいかに関節リウマチを疑うかがその治療にとって重要となります。
   診療の現場では、「この患者さんはどこまでを(どの程度までを)治療目標にする」という考えを持って、目標を個別的に設定してあたります。
 すなわち、患者さんの年齢、合併症、進行度などに応じて目標を設定することが重要であると考えます。


◎早期診断:治療の重要性

 治療を早期に開始すれば、骨にはほとんど異常がない状態を維持できるようになったのですから、いかに早くリウマチだと診断し治療を開始するかがポイントです。


◎関節リウマチを疑う決め手

 初診時に関節リウマチを疑う決め手は関節の腫れです。
 ・関節が痛いだけでなく腫れがある場合はリウマチを疑います。
 ・関節の触診で腫れを確認し、更に皮膚、粘膜、眼などの症状から
  鑑別診断を行います。
 ・次に血液検査で関節リウマチと鑑別すべき疾患に特異的な自己抗体、
  炎症マーカーの測定を行い、その後関節X線撮影を行います。
 ・他院で関節リウマチと診断されている場合でも初診時はしっかり
  時間をかけ、関節リウマチ+他疾患合併の可能性も考えて、
  すなわちいわゆる膠原病という概念で囲われている病気をも
  鑑別します。
 診断に役立つ所見は以下のようなものです。
 ・手・足他の関節の腫れ
 ・30分以上の朝のこわばり
 ・血液検査データ
   CRP、赤沈、リウマトイド因子、抗CCP抗体が特に大切。
 ・レントゲン検査による骨の変化


◎「10年後の良好な機能維持のため、発症早期から厳格な介入を」

 ・診断がついたら、数ヶ月での寛解導入をめざし、3ヵ月ごとに
  治療目標を達しているか、客観的評価と治療薬の調整をくり返します。
 ・適切な薬剤+分量タイミング良く使用することにより、多くの症例で、
  数ヶ月単位で寛解をめざせるようになりました。
 ・特に発症早期の患者においては、臨床的寛解とその維持が
  可能になりました。
 ・長期罹患者においても、低疾患活動性を維持することが
  可能になりました。
 ・そのためには早期に有効性の高い薬剤を積極的に使い、関節破壊や
  運動機能障害を阻止することが関節リウマチ薬物治療の世界の潮流です。


◎「リウマチ治療の実際」

 ・関節リウマチ治療薬は関節炎を鎮めリウマチ活動性を抑えることを
  目的とします。
 ・診断がつけば初診時からでも従来型抗リウマチ薬(CSDMARDs:
  Conventional SyntheticDMARDs)での治療を開始します。
 ・日本リウマチ学会の治療ガイドラインではメトトレキサート(MTX)
  禁忌例以外にはMTX投与を推奨しています。
 ・治療開始後3ヶ月で充分な効果が見込まれない場合はMTXの増量
  あるいはブシラミン(Buc)、サラゾスルファピリジン(SASP)
  などの併用療法なども行われます。
 ・これらの治療薬の基調は免疫抑制であると考えられています。
  
  高価な生物学的製剤の必要性が高いということはなくて、
  当院での使用例も20%程度であります。
  治療目標達成には、効果的でより安全・安価な治療薬へという治療選択が
  求められます。
  予後不良因子となりうるものは
   1.抗CCP抗体高値陽性
   2.リウマチ因子高値陽性
   3.XPによる骨ビランの証明



◎「主な抗リウマチ薬(DMARDs:disease‐modifying anti-rheumatis drugs)」

 1)従来型抗リウマチ薬(csDMARDs)
  ・メトトレキサート(MTX)
  (商品名:リウマトレックス、メトレート、メソトレキセートなど)
    MTXは、リウマチの臨床症状、CRPなどの臨床検査の改善効果、
   関節破壊効果が明確で、リウマチ治療に欠かせない薬剤となりました。
    今日では第1選択薬として約90%以上の方に最初から使用されて
   います。その半分がMTX単独で、残りが生物学的製剤あるいは
   その他薬剤との併用においてMTXを基本薬として使用しています。
  ・タクロリムス(商品名:プログラフ)
    MTXに並ぶ有効性があり、ステロイド汲み出し抑制作用により
   ステロイド減量効果が見込まれ、服薬の一つの選択肢になります。
  ・効果と安全性が確立されたジェネリック医薬品の抗リウマチ薬を
   使用することは、治療費削減につながると考えられます。
 
 2)生物学的製剤(bDMARDs:biologic DMARDs)
  高齢者は腎機能低下や呼吸器疾患の合併症(10%以上)でMTXを
  使用できないことがあり、生物学的製剤が使用される。
  半減期が短く、比較的安全と考えられるエタネルセプトの使用が多いが、
  生物学的製剤は減量・中止の可能性や寛解を得た時に自己注射への移行が
  可能なものを選択するようにしている。
  生物学的製剤の有効性を知ると従来の治療には戻れない。
  リウマチ学会の勧告は、病勢が強い場合はすぐに生物学的製剤を
  使用しなくてもよいとされたのはその表れです。
   ・ヤヌスキナービ(Janus Kimase)
    2つの顔を持つJanusの神から名付けられた
    (tsDMARDs:targeted synthetic DMARDs)経口剤であり
    半減期が短いので1日2回服用する。副作用も少ないが高価。
    MTXにとって代わるものではない。csDMARDsや
    bDMADsに治療抵抗性リウマチに用いられるのが妥当。
 3)ステロイド
  ステロイド剤は関節リウマチの炎症を効果的に抑制するものの、
  骨への影響が懸念されるので、治療開始初期でDMARDs
  (メトトレキサート)の効果が発現するまでの短期間使用に
  とどめている。


◎「高齢者のリウマチ」

 高齢者のリウマチが増加しています。
 高齢者発症リウマチには以下のような特徴があります。
  1.定型的発症パターンをとらず大関節から始まること。
  2.炎症状態が強く、関節破壊速度が速いこと。
  3.肩関節の罹患が多く五十肩と診断される例もあり、治療開始が遅れる
    傾向にある。
  4.高齢者は腎機能の低下と直結しているので、このことが治療上の
    大きな制約となる。
  5.高齢者への免疫抑制剤使用は感染症のリスクを増加させる
    危険がある。
    高齢者に使用する抗リウマチ薬は安全性と有効性から選択し、
    薬剤を使いこなす技術が求められます。


◎「関節リウマチの手・足」

 関節リウマチにおいて、「手はもっとも罹患頻度が高く、また買物等で人目にさらされ易い部位であります。そして、外観の問題だけでなく、物を握ったりつまんだりする機能の低下した手は、個人の生活の質(QOL)を大きく損ないます。又、手首・足趾(ゆび)の炎症は、歩くときの痛みになり日常生活の大きな障害になります。


◎「関節リウマチと肺炎」

 約10%に発症前から肺病変があるといわれています。
リウマチ疾患は肺炎感染のリスクが高くなっています。
肺炎予防のひとつに肺炎球菌ワクチン(商品名:ニューモバックスNP)の接種があります。
日本呼吸器学会が定めたガイドラインでは、65歳を過ぎたら、たとえ健康であっても全例、また、糖尿病、肺疾患、喘息などの持病を持っている方は年齢に関係なく接種が勧められています。


◎「関節リウマチと区別すべき関節炎」

 関節炎による関節痛、発熱、倦怠感を訴え来院される方は
増加傾向にあります。
 大切なことは、CRPや赤沈、骨X線が正常であったり、リウマトイド因子や抗CCP抗体が陰性であっても関節リウマチを否定する根拠にはならないことです。
 さらに、膠原病という概念でこらえられる関節炎をも区別診断せねば
なりません。
 以下に代表的なリウマチ近縁疾患を示します。
  1.リウマチ性多発筋痛症
    中年以後に多く急激に発症する筋肉痛、こわばりが主症状
  2.血清反応陰性関節炎(PsA)
    基本病態は筋腱の付着部炎であり、しばしば爪痛変や指趾炎を
    伴います。
  3.シェーリング症候群
    頸や肩・膝など大関節の強い痛みを訴えます。
  4.偽痛風
  5.変形性関節症
  6.線維性筋痛症

 
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